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家族(ポッドとクラン)



 オルカは、哺乳類のなかで最も社会的な結びつきの強い動物だと考えられています。レジデント・オルカは一生、肉親のグループのなかで暮らします。グループの中心となるのは母親です。母親はとても長生きで、(母系)家族に長く安定をもたらします。娘たちは家族の伝統を継承しますが、母親が亡くなるまで自分の家族はつくりません。成長したオスも、一生自分が生まれた家族とともに暮らします。血縁の濃い家族が集まったより大きな社会的集団が、「ポッド」です。同じコールを受け継ぐポッドは複数あり、その集まりは「クラン」と呼ばれています。同じ地域に暮らすクランの集まりが「コミュニティー」です。
 トランジエント・オルカの社会構造については、あまり多くのことは知られていません。血縁関係に基づく社会的グループはあるようですが、生まれたグループから離れてしまう個体もあります。とはいえ、北米西海岸のトランジエントのコミュニティーでは、さまざまな地域から来た異なるグループがしばらく一緒に旅をすることがわかっており、コミュニティーレベルでも強い社会的結びつきがあることを示しています。

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