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2000.8.14更新
ついにラビングビーチからの映像が公開されました!
スポング博士からメッセージも届きましたので、是非ご一読ください。

ラビング・ビーチにカメラを新設

とっても嬉しいお知らせです。このたびオルカライブでは、これまでお届けしてきた映像や音声に加えて、ロブソン湾(マイケル・ビッグ)生態保護区内にある「ラビングビーチ」に設置した水上カメラの映像をお届けすることができるようになりました。

(マイケル・ビッグ生態保護区のホームページはこちら↓)
http://wlapwww.gov.bc.ca/bcparks/eco_reserve/robsonb_er.htm

新設したカメラは2台。1台はオルカラボから遠隔操作ができ「メイン」のラビングビーチからの映像を映しだします。もう1台のカメラは固定映像を映すもので、「メインビーチ」に近い、通称「1.5」と呼ばれるビーチを広角で映します。とはいえ、一度にモニターできるのは1台のカメラの映像のみです。
カメラのほかに、「メインビーチ」にいるオルカたちの「ブロー」を拾うマイクも1台設置しました。もちろん、すでに「メインビーチ」に設置してある水中マイクもそのままです。

研究という観点から言えば、これらの音声と映像は、ラビングビーチにおけるオルカたちの行動を知る上での貴重な資料となるでしょう。また一方では、ネットを通じてこうした「体験」を世界に発信することで、一般の人たちにもオルカのことや、彼らの生息域を保護する必要性を理解してもらえるのではないかという思いもあります。ロブソン湾の生態保護区はオルカの生息域の一つであり、なかでもラビングビーチは、オルカの生活において特別な位置を占める場所なのです。
ここが保護区に指定されたのも、カナダ政府、そしてブリティッシュコロンビア州政府がその区域内での人間の行動を制限するのも、そのためなのです。

カナダの海洋漁業省は保護区への漁師の出入りを管理し、ブリティッシュコロンビア州政府は何年も前から「BC国立公園」という機関を通じて、保護区内へのボートの乗り入れを禁止し、一般の人々に保護区のことを知ってもらうために、夏の何ヶ月かの間、この区域を保護するプログラムを実施しています。保護区にはレジャーボートなどの乗り入れは禁止され、海岸線のどこかに上陸することもキャンプすることも禁止されています。保護区内での活動を許されているのは許可を得た漁師だけで、それも7月から11月のサケ漁のシーズンのみ漁を許されています。ここを訪れると、そんな漁師を見かけることもあるかと思います。彼らの活動は合法なので違法行為と誤解しないでください。

私たちがラビングビーチに設置したカメラや、保護区域内にある水中マイクは、「BC国立公園」の協力のもとに設置され、それらを使用する許可も得ています。これは、環境に影響を与えることなく貴重なデータを集める素晴らしい機会であり、私たちは、カメラなどの設置やメンテナンスといった活動が、オルカに少しの影響も与えないよう最大限の努力をするつもりです。私たちがラビングビーチで目にし、また体験したことをお伝えすることが、オルカと彼らのかけがえのない生息域を守る一助になることを願ってやみません。そして、ラビングビーチにおけるオルカたちの行動を細部にわたって発信することによって、ブリティッシュコロンビア州が「BC国立公園」による現在の保護プログラムに対する助成を継続してくれることも、私たちの願いの一つです。このプログラムは、ジョンストン海峡の「コアエリア」に生息するオルカたちにとって不可欠なものなのですから。

ポール・スポング
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